7月に市場の潮目は変わる?日本株「空売り枯渇」と米国株「金融緩和」が描く未来

7月に市場の潮目は変わる?日本株「空売り枯渇」と米国株「金融緩和」が描く未来
今日の東京株式市場では、日経平均株価が一時700円を超える上昇を見せましたが、午後は失速し、最終的には279円高で取引を終えました。これで5日続伸となり、日経平均はここ数日で急ピッチの上昇を見せています。
その背景にはどんな材料があり、7月以降の展望はどうなるのでしょうか? 今後の投資戦略のヒントを整理します。
🔍 日本株:加熱感と需給に注目
株価上昇の主因は需給要因
今回の急騰は、配当金再投資や大型のファンド買いが需給を好転させ、売り方の買い戻しを巻き込んだ結果といえます。ただし、午後以降は上げ幅が縮小し、短期的には加熱感も意識されているようです。今後、需給の追い風が弱まるようであれば、利益確定の売りが出てくる可能性もあります。
「空売り枯渇」のサインに注意
注目すべきは、東証プライム市場全体の空売り比率が節目を下回ってきたことです。これは、「売りが尽きた」ことを意味し、過去にも相場の天井圏を示唆してきました。昨年も同様のパターンで、その後は調整局面に移行しています。
🔄 7月以降の戦略:高配当株へのシフトがカギ?
5~6月にかけては、半導体・防衛・ゲーム株などのモメンタム銘柄が相場を牽引しました。しかし7月以降は、そのトレンドが一変する可能性も。複数のアナリストが、高ボラティリティ銘柄から高配当・安定収益銘柄への資金シフトを推奨しています。
注目される高配当銘柄(例)
- インペックス
- UBE
- 武田薬品工業
- 日本製鉄
- 本田技研工業
いずれも予想配当利回りが高く、大型のバリュー銘柄として評価されています。
反対に注意が必要な高ボラティリティ銘柄(例)
- 電線株(古河電工、住友電工)
- 半導体関連
- 防衛関連株(川崎重工、IHI)
- ソフトバンクグループ
これらは短期的に急騰しており、利益確定の売りが出やすい状況です。
🇺🇸 米国市場:利下げ期待と緩和的環境が追い風
FRBの利下げ観測が相場を支える
米国では利下げ期待が高まり、主要株価指数が過去最高値を更新しています。7月の利下げはやや慎重な見方があるものの、9月の利下げはほぼ織り込み済みの状況です。
金融環境指数(FCI)も緩和モード
米ゴールドマン・サックスの金融環境指数(FCI)は、今年の最低水準まで低下しており、金融面からも株高を後押ししています。今後さらに緩和が進めば、米国株にはもう一段の上昇余地があるとも見られます。
世界では既に利下げラッシュが始まっている
米国はまだ利下げに踏み切っていませんが、実は世界中では今年に入り多くの中央銀行が利下げを実施しています。ヨーロッパや新興国では特にその傾向が強く、金融市場全体が「緩和モード」に突入しているのが現状です。
💬 ナスダックのバブルシナリオとは?
米バンク・オブ・アメリカのアナリストは、「ナスダックがもしバブル相場に突入すれば、今の水準からさらに4割程度上昇する可能性がある」との見方を示しています。仮にそのシナリオが現実になれば、「ドル安+米株高」が進行し、日本株は円換算ベースで出遅れる可能性もあります。
✅ まとめ:7月は銘柄選びが大きな分かれ目に
今の日本株市場は、需給要因で急騰している側面が強く、短期的な加熱感も否定できません。加えて、「空売りの枯渇」が相場の転換点になる可能性もあり、注意が必要です。
一方、米国市場は緩和的な金融環境を背景に、上昇余地を残しています。特に9月以降の利下げ実現が注目され、世界的な金融緩和トレンドも続いています。
7月に入るこれからは、「高配当×安定業績」の銘柄に目を向けることで、相場の変化にうまく対応していくことが求められそうです。