ビジネス お役立ち

【有料級保存版】01秘密保持契約(NDA)とは?目的・条項・注意点をわかりやすく解説!

toshi.kata

ビジネスの現場では、取引先や提携先との交渉過程で、技術情報や営業戦略といった自社の重要情報を開示する場面がよくあります。
その情報を守るために欠かせないのが、**秘密保持契約(NDA)**です。

この記事では、秘密保持契約の基本から、実際に契約書で定めるべき主要条項、注意点までわかりやすく解説します。
情報管理や契約実務に関わる方、これからNDAを結ぶ予定のある方はぜひご一読ください。


1. 秘密保持契約(NDA)とは?

秘密保持契約(Non-Disclosure Agreement:略してNDA)とは、相手に開示した秘密情報を、第三者に漏らしたり、目的外で使用したりすることを防ぐための契約です。

この契約の主な目的は、以下の2点です。

  • 第三者への漏洩を防ぐ
  • 契約目的以外の利用を禁止する

※ NDAは「機密保持契約」と呼ばれることもありますが、意味は同じです。


2. NDAの必要性と種類

■ なぜ契約書が必要なのか?

「取引契約に秘密保持条項があるから大丈夫」と考えるのは危険です。

なぜなら、交渉段階で情報開示が先に行われることが多く、万一その後に交渉が決裂した場合、情報の流出リスクが高まるからです。

したがって、秘密情報の開示前にNDAを締結することが非常に重要です。

■ NDAの主な2タイプ

  • 一方向型:片方が開示、片方が受領
  • 相互型:双方が情報を開示し合う

契約書を作成・確認する際は、自社がどちらの立場かを明確にし、それに応じた内容で調整する必要があります。


3. 「営業秘密」と「秘密情報」の違い

混同されがちですが、**「営業秘密」「秘密情報」**は異なる概念です。

■ 営業秘密(不正競争防止法上の定義)

以下の3要件をすべて満たす必要があります:

  1. 秘密管理性:秘密として適切に管理されていること
  2. 有用性:ビジネス上有益な情報であること
  3. 非公知性:世間に知られていないこと

※ 例:顧客リスト、価格戦略、技術情報など

■ 秘密情報(契約で定義)

契約書上で「秘密情報」と定義した範囲内で保護されます。
営業秘密よりも広い範囲が対象となるケースが一般的です。


4. NDAで必ず押さえるべき6つの条項

秘密保持契約を効果的にするためには、以下の条項を適切に設計することが重要です。


①【秘密情報の定義・例外】

開示側の意図
「開示する全ての情報」を秘密情報として扱いたい。
口頭や画面共有なども含む旨を記載することも。

受領側の意図
「秘密と明示された情報のみに限定したい」。
以下のような情報は秘密情報から除外される例が多いです:

  • 既に知っていた情報
  • 公知の情報
  • 第三者から正当に得た情報
  • 独自開発による情報 など

②【秘密保持義務】

開示側の視点
・社内でも必要最小限の人にしか開示してほしくない
・第三者への開示は原則禁止、違反時は責任を問う

受領側の視点
・業務委託先や顧問などへの開示を許容してほしい
・「開示者の書面同意があれば開示可能」としたい


③【目的外使用の禁止】

開示側の意図
情報の使用目的を「~の検討のため」と具体的に明記し、制限したい。

受領側の意図
「書面による事前承諾があれば目的外使用OK」にして柔軟性を持たせたい。


④【返還・破棄義務】

開示側
・契約終了時に返還または破棄してほしい
・破棄証明書の提出を求めるケースもある

受領側
・現実的な運用を考慮し、**「要請があった場合のみ対応」**としたい


⑤【損害賠償・差し止め】

損害賠償条項

  • 開示側:あらゆる損害(逸失利益含む)を請求できるようにしたい
  • 受領側:責任を限定し、「通常損害」のみとしたい

差し止め条項

  • 開示側:被害拡大を防ぐため、使用の差し止めを請求できるようにしたい
  • 受領側:条文からの削除や表現の緩和を求めることも

⑥【有効期間と存続条項】

開示側
・情報が古くなっても保護したいため、長期 or 無期限を希望
・契約終了後も義務が継続するように明記

受領側
・負担を軽くしたいため、「契約終了後2〜5年」など期間を限定したい


5. まとめ|秘密保持契約は“攻め”と“守り”の両方が大切

秘密保持契約(NDA)は、自社の大切な資産である「情報」を守るための重要な契約です。
契約条文の一つひとつには意味があり、立場によって優先すべきポイントが異なります

最も大切なのは、以下の姿勢です。

  • 契約締結前にNDAを結ぶ
  • 契約内容をよく理解し、立場に応じて交渉する
  • バランスのとれた契約を目指す

あなたの会社が安心してビジネスを進めるために、本記事をぜひ活用してください。

ABOUT ME
トシ
トシ
ブロガー/会社員/ファイナンシャルプランナー(FP)2級
栃木県在住。
40代、2児のパパが運営するトシログ「おかねと暮らし」~Money Life Note~へようこそ。
仕事や子育てに追われながらも、家族の未来を豊かにするための資産形成や、子どもとの時間を大切にして育児に奮闘してます。記事投稿しながら皆さんと一緒に金融リテラシーを高めて、小金持ちを目指す。そんなブログです。役立つ情報掲載しますので、ぜひ見てってくださいね!
記事URLをコピーしました